戦後の差別糾弾闘争をめぐって、狭山差別裁判糾弾闘争、矢田教育闘争、八鹿闘争などについて関係者に聞きとりをおこない、関連する文献史料を収集した。同時に、部落解放をめぐる多様な模索にも留意し、教育や文化活動、あるいは生業のとりくみなどについても聞きとりを進めた。これらによって、輻輳している感のある同時代史研究の論点を整理した。 さらに、海外調査を通じて、インドにおけるダリト運動の歩みと現状が比較の材料となっただけでなく、日本および現地の南アジア研究者との交流の機会ともなった。アメリカでは部落出身移民の事例につきあたるなど、いずれも今後の研究につながる手がかりを得た。
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