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2017 年度 実施状況報告書

台湾先住民の「民族」自治:中国と周辺地域における脱植民化

研究課題

研究課題/領域番号 26503018
研究機関広島大学

研究代表者

中村 平  広島大学, 文学研究科, 准教授 (80632116)

研究分担者 木村 自  立教大学, 社会学部, 准教授 (10390717)
山本 達也  静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70598656)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード脱植民化 / 台湾先住民 / 中国少数民族 / 回(民族) / チベット(民族) / 民族自治 / 資本主義 / 国際情報交換
研究実績の概要

6月に代表者は台湾調査を行った。「伝統領域」に関するシンポジウムに参加し、桃園市復興区の先住民タイヤル集落で白色テロの歴史経験についての聞き書きなどを行った。博士論文以来の業績をまとめ、3月に代表者は単著『植民暴力の記憶と日本人:台湾高地先住民と脱植民の運動』(大阪大学出版会)を上梓した。台湾先住民(特に高地の)の「民族」自治が模索される中で、特に日本の植民地統治とその暴力性を、記憶の到来と分有という点から思考するものであり、博士論文以来の課題に一つの区切りをつけた。本研究の特色の一つに、植民側の歴史認識を問うという問題系があり、それはマジョリティとマイノリティがコロニアリズムの中で主体形成を行ってきたという経緯の中での、聞くことの責任の問題を提起するものである。
7月に代表者は、ダム建設による先住民タイヤルの半強制的移住に関わる問題についてのコメントを雑誌に投稿出版した。
3月に代表者は、単著出版の報告を含めて台湾調査を行った。先住民女性の声を聞く新書発表会(楊翠『少数説話』)参加、李梅樹記念館(三峡)での先住民表象の展示見学、復興区後山と宜蘭市での聞き書き、台湾大学・国家図書館での史資料調査を行った。また3月に、広島市の公民館で台湾先住民と日本の植民地統治についての講演を行った。
分担者はそれぞれ、インドにおけるチベット難民、華僑華人と国境の問題・ディアスポラ性についての著作を出版した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

代表者、分担者はともに、台湾と中国、またその周辺地域において調査研究を進め、順調に著書の出版や学会報告を行っている。

今後の研究の推進方策

代表者は、単著の成果を踏まえて、台湾先住民の脱植民化と周囲のマジョリティの責任の関係性についての研究を進める。
分担者はそれぞれ、中華人民共和国における中国系ムスリムの脱植民地化について、またチベット難民における脱植民実践にかかる研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

洋書購入金額について、レート等の関係で、当初予算より安くなったため次年度使用額が生じた。来年度は調整しながら予算を執行する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「郭雲萍報告『被沈没的民族 : 泰雅族Qara部落的遷移流転』へのコメント」(特集 第19回現代台湾研究学術討論会報告要旨 台湾史研究会・台湾歴史学会共催シンポジウム 東アジアの近代化と台湾社会の変遷(東亞近代化與台灣社會變遷))2017

    • 著者名/発表者名
      中村平
    • 雑誌名

      『現代台湾研究』

      巻: 47 ページ: 58-60

  • [雑誌論文] 書評 長田紀之著『胎動する国境――英領ビルマの移民問題と都市統治』2017

    • 著者名/発表者名
      木村自
    • 雑誌名

      華僑華人研究

      巻: 14 ページ: 73-76

  • [雑誌論文] Lyrics Matter: Reconsidering Agency in the Discourses and Practices of Tibetan Pop Music among Tibetan Refugees2017

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya YAMAMOTO
    • 雑誌名

      Revue d'Etudes Tibetaines

      巻: 40 ページ: 126-152

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「『歴史と記憶に学ぶ』ということ:台湾での聞き書きから」2018

    • 著者名/発表者名
      中村平
    • 学会等名
      男女共同参画セミナー「『明治150年』と女性」、仁保公民館(広島市南区)
  • [学会発表] An Emergence of Blind Culture?: Socio-Cultural Contexts of Proliferation Of Blind Massage in Taiwan2017

    • 著者名/発表者名
      KIMURA Mizuka
    • 学会等名
      East Asian Anthropological Association, Chinese University of Hong Kong
    • 国際学会
  • [学会発表] Conjunct Citizenship: Tibetan Refugees Encountering Multiple Actors2017

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya YAMAMOTO
    • 学会等名
      10th International Conventions of Asian Scholars, the Chiang Man International Exhibition and Convention Centre (Thailand)
    • 国際学会
  • [図書] 植民暴力の記憶と日本人:台湾高地先住民と脱植民の運動2018

    • 著者名/発表者名
      中村平
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      978-4-87259-609-0 C3022
  • [図書] 「「台湾高地先住民の土地と生の囲い込み :日本植民国家-資本による人間分類と『理蕃』 」、今西一・飯塚一幸編『帝国日本の移動と動員』2018

    • 著者名/発表者名
      中村平
    • 総ページ数
      361(内83-110)
    • 出版者
      大阪大学出版会
    • ISBN
      978-4-87259-596-3 C3021
  • [図書] 「「作る」と「パクる」の狭間で-チベタン・ポップをめぐる権利言説と実践から見る難民社会の今」『チベット・ヒマラヤ文明の歴史的展開』2018

    • 著者名/発表者名
      山本達也
    • 総ページ数
      175-202
    • 出版者
      臨川書店
  • [図書] 華僑華人の事典2017

    • 著者名/発表者名
      木村自、華僑華人の事典編集委員会 編
    • 総ページ数
      593
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30176-0
  • [図書] 『先住民からみる現代世界-わたしたちの<あたりまえ>に挑む』2017

    • 著者名/発表者名
      山本達也
    • 総ページ数
      288(内118-120)
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812216408
  • [備考] 到来する暴力の記憶の分有:脱植民化の民族誌記述を考える

    • URL

      http://www.geocities.jp/husv83/

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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