アロンゾ型都市経済モデルを,現実的問題に応用することを通じて,政策的示唆を得ようとする。第1は直線上に人口が均等分布する場合の財供給拠点の空間的配置について,複数財の供給点が集約される傾向の分析である。第2は隣接する2都市が,ゴミ処理施設を共同で設置する場合の立地点と金銭補償の問題である。第3は都市世帯と兼業農家からなる単一中心都市において,農地面積や農業従事率が都心から離れると増加する性質を示すことである。この種の研究では数値解析が多用されるが,「統計的比較静学分析」により一般性を補強することを提案し,少子高齢化の空間的バラつきを把握するために,小地域単位での多地域コホート分析を検討する。
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