研究課題
今年度は本研究課題の総括を意識した論文の執筆,捕捉研究調査,資料収集,分析に努めた。その成果の一部は,ソ連時代から現代ロシアにかけてロシアの住宅市場,家計の住宅資産認識と保有動向,住宅事情,ローン,ロシア政府の住宅政策の変遷をテーマに,雑誌論文ならびに図書所収論文として発表した。ソ連時代の住宅不足が若年世帯の取得難に姿を変えて問題が継続していることを明らかにし,その問題に対してロシア政府が新たな公営賃貸住宅をはじめとする賃貸住宅市場の拡大へと住宅政策を変化させ始めていることを明らかにした。若年世帯の住宅保有動向は,両親世代の住居の相続,賃貸流通市場動向,住宅ローン金利や金融危機にも左右され,ロシア特有の個人間の住宅流通が若年世帯の保有動向に一定の影響を与えていることも明らかにした。さらに,日本の若年住宅市場との比較でロシアの若年家計の住宅保有について研究し,研究発表ならびに論文発表(平成30年度に発表予定)も行った。次に,ロシア都市住宅市場の特殊性について,ロシアの賃貸住宅市場の一定割合が,個人による資産流通に基づいて行われていることを明らかにし,その特殊性が,1)日本の住宅企業がロシア進出にもたらす課題,2)移民労働者の賃貸流通,の2点の視点から研究ならびに論文・成果発表を行った。また2017年8月からモスクワ市で5階建住宅を中心にした住宅再開発プログラムが開始され,その推移を追い,その開発過程で生じた問題について,現在,国際共著論文としてロシアの雑誌に投稿中のものが1本ある。このほかにも,RLMSなどのミクロデータ分析を使った投稿中の論文が2本,また,査読雑誌に投稿した論文もさらに1本ある。最終目標としていた研究成果の単著書籍の発表も企画がすでに出版社の承諾を獲得しており,刊行の目途が立っている。
すべて 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うちオープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 9件、 招待講演 3件) 図書 (2件) 備考 (3件)
図書所収論文,溝口由紀編著『格差で読み解くグローバル経済』ミネルヴァ書房
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『ロシア・ユーラシアの経済と社会』
巻: 1024 ページ: 23-41
三菱東京UFJ銀行グループ会員用ウェブサイトMUFG BizBuddy2018年3月14日発表,ユーラシア研究所レポート2018年5月9日公開
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『六花』
巻: 23 ページ: 14-14
Миграция и социально-экономическое развитие
巻: 4 ページ: 印刷中
図書所収論文,Миграционные Мосты в Евразии, Под ред. чл.- корр. РАН Рязанцева С. В. - Москва.: " Экон-Информ"
巻: 2 ページ: 印刷中
図書所収論文,日ロ極東学術交流会『極東ロシアと日本-政治・経済・社会・文化―:第32回日ロ極東学術シンポジウムの記録』
巻: - ページ: 46-50
三菱東京UFJ銀行グループ会員用ウェブサイトMUFG BizBuddy2016年7月22日発表,ユーラシア研究所レポート2017年4月20日公開
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Недвижимость и стройтельство Петербурга, NSP.RU, 2 апреля 2017 г.
http://nsp.ru/interview/309-v-yaponii-drugie-predstavleniya-o-komforte
http://yuken-jp.com/report/2017/04/20/loan/
http://yuken-jp.com/report/2018/05/09/ru/