研究課題
本年度は,まず各種ステロイドおよびその抱合体の標準品を用いて,質量分析計におけるイオン化条件の検討,最適化を行った.続いて,SFC/MSによる分離条件の検討を行った.疎水性のフリー体のステロイドおよび親水性の抱合体の一斉分析が可能なカラムの選定および移動相,添加剤などの各種分析条件の検討を行い,最適条件を決定した(学会発表).次に,同様に各種ステロイドおよびその抱合体の標準品を用いて,SFEにおける抽出条件および濃縮,溶出(分離)条件の検討を行った.まず,液体試料を保持させるためのトラップカラムについて検討を行った.固定相の種類,粒子径,カラムサイズ(内径,カラム長)について検討した.次に,選定したトラップカラムを用いてステロイド標準品混合物の抽出,濃縮,溶出条件の検討を行いった.さらに,トラップカラムとの相性を確認しながら好適な分離カラムの選定および濃縮,溶出(分離)条件について検討し,最適条件を構築した(論文投稿準備中).また,上記と併せて超臨界流体抽出,分離が連続して可能なオンラインSFE-SFC-MS装置の開発を島津製作所と取り組んだ.当該研究で取り組んだオンラインSFE/SFCの経験,知識を導入することにより,実用的な装置を開発することができ,上市できた.また,同SFE-SFC装置はPittocon2015でEditors' Gold Awardを受賞した.さらに,同装置を用いたステロイドプロファイリングアプリケーションの開発についても着手した.
1: 当初の計画以上に進展している
今年度予定していた超臨界流体抽出/超臨界流体クロマトグラフィー/質量分析を用いたステロイドプロファイリング系の構築については,質量分析計におけるイオン化,SFCおける分離ならびにSFEの基礎的な分析条件は予定より早く構築できた.また,実サンプルを用いたシステムの検証,改良についても先行して順調に進めることができている.さらに,島津製作所と共同開発したSFE-SFC装置がPittocon2015でEditors' Gold Awardを受賞した.
引き続き,オンラインSFE-SFC/MSを用いたステロイドミクスシステム構築に取り組み,様々なサンプルにおける各種成分の検出感度,再現性等について検証を行い実用的なシステムを完成させる.また,実サンプルにおけて標準品と一致しない成分についても積極的に同定を試み,生体サンプルの解析において有用なライブラリの構築についても取り組む.次に,構築したオンラインSFE-SFC/MSステロイドミクスシステムを用いて,がん,糖尿病,高脂血症,自己免疫疾患等ステロイド類の変動が予想される疾患モデル動物や臨床サンプルにおけるステロイドプロファイリングを試みる.まず,実験動物を用いてそれぞれの疾患に特異的なステロイドプロファイル情報の取得を行う.さらに,臨床サンプルにおけるステロイドプロファイル解析についても試みる.また,得られた成果について学会,論文等で積極的に報告する.
3月より九州大学に異動することになり,3月に予定参加を予定していた国際学会に参加できなくなったため
来年度に他国際学会に参加予定
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (25件) (うち招待講演 15件) 図書 (6件) 備考 (2件)
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http://pittcon.org/press/