研究課題
さらに多くのステロイド類の分析を目指して,本年度も引き続きステロイドミクスシステムの構築に取り組んだ.今年度は特に異性体の分離に取り組み,各種カラムを検討することによってこれまで液体クロマトグラフィーでは難しかった異性体の分離に成功した.SFCの特徴を活かして,同じカラムを複数接続することにより分離能を向上させたり,異なる種類のカラムを接続することにより選択性を変えることによって,目的とする分離を達成することができた(論文投稿準備中).また,目的とするステロイドミクスシステムに適用可能なオンラインSFE-SFC-MS装置の開発について島津製作所と引き続き取り組んだ.当該研究で蓄積した知見をもとに,ステロイドミクスシステム構築に向けた装置のさらなる改良についても行った.本年度は,構築したステロイドミクスシステムを用いた応用研究に勢力的に取り組んだ. まず,食事や病気により胆汁酸類が変動することが知られている腸内細菌叢におけるステロイド類の包括的な解析を試みた.腸内細菌の有無,各種食事による影響,歯周病菌摂取による影響等について,マウスサンプルにおいて比較解析をしたところ,それぞれにおいて特異的なステロイド類のプロファイルを取得することができた(論文投稿準備中).また,各種疾患に特異的なステロイドプロファイル情報の取得を目的として,ステロイド類の変動が予想される各種疾患モデル動物サンプルおよび臨床サンプルにおける分析を試みた.糖尿病,心筋梗塞などにおいてそれぞれの疾患に特異的なステロイドプロファイルを取得することができた(論文投稿準備中).さらに,内分泌かく乱作用を有するケトコナゾールを経口投与したラットサンプルにおける解析についても実施し,経時的なステロイドプロファイルの変動を取得することができた.
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