白血病の治療において、抗癌剤が効かなくなる(耐性を獲得する)ことが多い。そのため耐性獲得の機序を解明ことは重要である。本研究では、抗癌剤(dEpoB)に耐性を持った白血病細胞株(CEM)を作製し、細胞膜上の糖鎖の構造を解析した。耐性細胞株(CEM/dEpoB)は、2-6シアル酸を持った糖鎖が減少していた。この減少は、シアル酸を付ける酵素(ST6GAL1)の遺伝子の減少によるものであった。 この糖鎖の減少と抗癌剤耐性の因果関係を知るためにST6GAL1遺伝子を操作した。ST6GAL1遺伝子を導入したCEMは、抗癌剤耐性を獲得した。この結果は、この糖鎖の減少は耐性獲得の原因であることを意味する。
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