環境汚染物質研究において、毒性の高い多環芳香族炭化水素(PAH)の環境循環を知ることはとても重要である。本研究では、汚染物質分解細菌として知られるスフィンゴビウム属KK22株のPAH分解能と、分解における代謝と毒性応答に注目した。KK22は、PAHをカテコール系代謝物へと変換することがわかった。一方で、このカテコール系代謝物は、KK22にDNA損傷を誘発させることがDNA付加体の網羅的解析によって示された。トランスクリプトームを用いた解析によって、カテコール系代謝物に対してのKK22の応答機構を解析した。その結果、KK22がDNAダメージ修復タンパクを発現させていることが示唆された。
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