我々は近年、糸状菌で初めてリボソームペプチド生合成経路を見出した。本経路の特徴に基づくゲノム情報探索と代謝物LC-MS分析等により、今回、同種の糸状菌リボソームペプチド生合成(ust-RiPS)経路と化合物のセットを新たに2つ見出した。これら2つの化合物はいずれも、最初の例であるustiloxin同様、前駆体コアペプチド配列を骨格構造とする環状ペプチドだが、その構成アミノ酸と構造は大きく異なる。ゲノム上でust-RiPS経路はfungiに広く保存されている。今回の結果により、本経路が多様な構造の環状ペプチドを生合成する二次代謝経路のクラスであることが強く示唆された。
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