宇宙の微小重力環境下では、骨吸収の亢進と骨形成の低下が同時に起こり、短期間で激しい骨量減少に至る。本課題では、微小重力による骨量低下を阻止できるキサントフィルを決定した。最も活性が高かったルテインは骨芽細胞におけるRANKL遺伝子発現を抑制し、破骨細胞のアポトーシスを誘導すること、Bmp2の遺伝子発現を促進し、骨形成を亢進することを見出した。さらに、骨粗鬆症モデル動物と尾部懸垂モデルマウスにおいても大腿骨骨量の減少を回復させることを明らかとした。ルテインは宇宙微小重力による骨量減少や骨粗鬆症などの骨吸収性疾患における予防・改善効果を示し、今後の宇宙飛行士サプリメントの開発への検討が期待される。
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