研究課題/領域番号 |
26506005
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
猪早 敬二 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (70302958)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発生・分化 / メダカ / 骨形成 / 骨芽細胞 |
研究実績の概要 |
研究代表者らは、宇宙開発事業団JAXAとの共同研究により、宇宙ステーション・きぼう棟において、メダカ稚魚の長期飼育を実施し、微小重力環境の骨に対する影響の解析を行ってきた。しかしながらメダカにおいて、骨をつくる細胞である骨芽細胞の分化については、未だによく理解されていない現状であり、骨芽細胞分化の分子メカニズムを明らかにすることは、宇宙研究を推進するためにも急務である。本研究は、骨形成に関わる遺伝子のノックアウトメダカをゲノム編集技術を用いて作製し、各遺伝子の機能を明らかにすることを目的としている。マウスにおいて骨芽細胞分化に必須と報告されているosterix遺伝子のノックアウトメダカをTALEN法を用いて作製を試みたところ、フレームシフト変異が生じることでosteirx遺伝子の機能不全が期待されるメダカ変異体の系統化に成功することができた。当該年度ではまず、このメダカosterix変異体の表現型の精査を行った。osterix変異体では、頭部、胴尾部や鰭などの全身の骨組織で骨形成不全が見られた。特に脊椎では、神経棘と血管棘の形成が見られず、osterix遺伝子がこれらの骨組織の形成に関与していることが示唆された。また、osterix遺伝子のプロモーター下でosterix全長cDNAを発現するトランスジェニックレスキューメダカ系統を作製したところ、神経棘と血管棘および他の骨組織の回復が変異体で認められたため、これらの骨組織の形成にosterix遺伝子が関与していることを証明することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は骨形成に関わる遺伝子のノックアウトメダカを、TALENやCRISPRによるゲノム編集技術を用いて作製し、各遺伝子のメダカ骨発生における機能を明らかにすることを目的としている。当該年度ではメダカosterix変異体の表現型の詳細を明らかにし、osterix遺伝子がメダカの骨発生においても、マウスと同様に、骨芽細胞の分化に関与していることを強く示唆する結果を得た。またosterix変異体のトランスジェニクレスキュー系統を作製することにも成功し、osteirx変異体の表現型がosteirix遺伝子の機能欠失によることを証明することができた。
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今後の研究の推進方策 |
系統化されたノックアウトメダカの表現型を順次精査し、解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
変異体の解析時に必要な高価な遺伝子クローニング関連キットの購入が当初の予定ほどではなかった。また標的遺伝子の表現型を確定する過程では、トランスジェニクレスキューメダカを作製することに成功し、当初予定していた高価なモルフォリノアンチセンスオリゴを購入しなかったため、当該助成金が生じることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
変異体の解析では、多数のオリゴプライマー、cDNAやゲノムDNAのクローニング、塩基配列の決定などが必要であり、高価な遺伝子クローニング関連のキットの購入に使用する予定である。また標的遺伝子の表現型を確定する過程では、高価なモルフォリノアンチセンスオリゴの購入を予定している。
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