新たな宇宙実験材料として、重合薄膜『NanoSuit』によって保護された生物試料を用い、極限環境における生命維持メカニズムの解明を目的とした。宇宙ステーション軌道に相当する、電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)内の高真空環境(10-3-10-7Pa)を利用し、生命を保護するための新技術の開発を行った。その結果NanoSuitの新素材として、糖類とグリセリンを配合した新規合成溶液surface shield enhancer(SSE)の開発に成功し、含水状態のまま高解像度でFE-SEM観察が可能となった。また、多細胞生物に限らず幾種かの単細胞生物を高真空下で生命維持することにも成功した。
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