2016年度に大気球実験を行い、新規開発した降下式インパクター型試料採取装置で成層圏微粒子を採取することに成功した。これは技術実証として重要であり、今後の成層圏微生物採取実験の基盤となるものである。 また、本実験の結果より、難培養性微生物も含めた成層圏微生物数密度の上限値を推定した。難培養性微生物は自然界の微生物の大半を占め、成層圏微生物の寿命や動態を理解する上で不可欠な情報を有し、生物圏界面biopauseの検出と理解という大目標達成へ向けて中核となる観測対象である。過去の成層圏微生物の観測は培養できる微生物のみに限定されており、本研究が成層圏の難培養性微生物に関する世界初の観測結果である。
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