外耳道を経由して検知される微弱な体振動から右心機能を非観血、非侵襲的に計測する手法を考案した。耳栓により閉塞した外耳道空間の振動を低周波領域に特性を有する差圧センサにより計測した。精度、正確度、安定性などの基本的性能を検証した後、得られた計測データの生理的妥当性について、心音および循環動態解析システムを用いての検証を行った。開発した装置による体位変換実験、飲水実験において、外耳道内圧変動は静脈圧変動に酷似しており、心電図とのタイミングからも頸静脈波形を捉えている可能性が示された。航空機による微小重力実験においては、重力変化に対応した静脈圧変動を外耳道内圧測定装置により観察することに成功した。
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