我々は、フォワード・ジェネティクスの手法を用いて覚醒時間の短縮を示すSleepy家系を樹立した。本年、Sleepy変異Sik3遺伝子(sleepy)の睡眠覚醒の制御という新たな機能について報告したが、本マウスは過眠とともに肥満の表現型を示す。QTL解析の結果、体重の表現型も睡眠と同じ染色体に責任領域があることが明らかになったことから、Sleepyが摂食行動や代謝制御においても重要な機能を担っていることが示唆された。一方で、表現型の出現時期が異なることから、今後、Sleepyの脳内での発現部位や時期、発現の量的変化など、時空間的解析を進めることにより、睡眠と代謝を制御する分子機序を明らかにする。
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