研究課題/領域番号 |
26507005
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森田 恵美 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60551968)
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研究分担者 |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (50166724)
角谷 寛 滋賀医科大学, 医学部, 特任教授 (90362516)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠時間 / 活動量計 / 一般集団 / コホート研究 |
研究実績の概要 |
疾病や死亡の予防のためには、疫学研究にて疾病と関連がある生活習慣を明らかにし、適切な生活習慣を実践していくことが必要である。更に、「個人に応じた予防」を目指すには、遺伝子解析を伴うゲノム疫学研究にて遺伝的要因による個人差を解明し、個人に応じた予防戦略(生活習慣等)を示すことが必要である。これまでの疫学研究では、主観的な睡眠時間(自己申告)が6~7時間程度の場合、生活習慣病の有病率や死亡率が最低という報告が多くなされている。つまり適切な睡眠時間は、疾病を予防する生活習慣の一つと言える。 一方で、必要な睡眠時間は個人差があると考えられており、一律に6~7時間を推奨するのは適切ではない可能性がある。必要な睡眠時間は、遺伝的要因も関与していると考えられているため、個人に応じた予防戦略を示すためには、睡眠時間を規定している遺伝子多型を明らかにする必要がある。 そこで初年度の今年度は、一般人を対象とした、がん予防のゲノムコホート研究の調査にて睡眠状態の評価(客観的な睡眠時間、主観の評価)を行った。これまで、大規模な一般集団での疫学研究では、睡眠状態に関しては質問紙による評価のみで行われていることがほとんどで、研究の限界となっていた。よって、本研究ではそれを克服すべく、調査参加者のうち希望者全員に、PSG (Polysomnography: 睡眠ポリグラフ検査)との妥当性が担保されている新規の安価な小型活動量計で、客観的な睡眠状態(睡眠時間、睡眠効率等)の推計を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
活動量計による客観的な睡眠時間の計測は、当初、1,000人を見込んでいたが、対象集団において、予想以上に高い割合で協力が得られたため、約2,200人分の睡眠状態のデータを得ることができた。また、調査票による主観による睡眠状態の評価は、2,400人を見込んでいたが、約2,800人のデータを取得することができた。 更に、調査票の入力は平成27年度に予定していたが、一部、今年度に行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は主に遺伝子解析を実施する予定である。また、統計解析の準備として、活動量計から得られた客観的な睡眠状態のデータのデータクリーニングも併せて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象集団において、予想以上の高い割合で協力が得られたため、郵送費、印刷費、消耗品等に予定以上の費用が必要となった。また、次年度に予定していた調査票の入力を今年度に行った。このため前倒し請求を行ったが、請求額が10万円単位であったため残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の残額と来年度の予算を合算し、人件費、遺伝子解析の消耗品等に充てる予定である。
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