研究実績の概要 |
滋賀県長浜市において実施してきた1万人規模のゲノム疫学研究(ながはま0次コホート研究:親コホート)の研究成果は論文化されている(SLEEP 2014;37(11):1809-15; J.Dent.Res 2015;94:52S-8S; PLoSOne 2015;10(10):e0140058, 2017;12(3):e0171849)。 2013年に滋賀医大に異動してから、滋賀医大における臨床及び疫学研究も成果が出てきている(Sleep Breath 2014;18(2):359-66; J Sleep Res 2014;23(5):517-23; J.Oral.Sleep.Med 2015;1(2):133-139, 2015;1(2):140-147, 2015;1(2):148-153, 2016;2(2):101-108; Conf.Proc.IEEE.Eng.Med.Biol.Soc2015 2015:8165-8; Acta Otolaryngol 2016, 22:1-7; Front Neurol 2016;7:110)。 日米国際共同研究により、ヒト・マウス・ショウジョウバエのいずれにおいても、脂肪酸結合タンパク質7型(Fabp7)の変異が睡眠断片化を引き起こすことが明らかになった(Science Advances 2017;3(4): e1602663)。これはヒト睡眠のゲノム疫学研究と実験動物を用いた睡眠基礎研究の融合の成果である。睡眠の断片化とは中途覚醒が増えることであり、不眠の主要症状の一つである中途覚醒の改善につながる研究成果である。なお、Fabp7の変異型を持つ人は、正常範囲内ではあったが、Zung うつ病自己評価尺度(SDS)が高値であった(39.9 ± 1.1 vs. 36.4 ± 0.4, P<0.01)。
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