高校生に対して睡眠を中心にした包括的な生活習慣教育を行い、その介入効果を評価した。16の高等学校の生徒が参加し、有効回答者は3010人であった。教育では、本研究のために開発された教材を用いて、1回5分間の授業を計12回行った。介入群の生徒は観察群と比較して、睡眠障害の有症率の増加が有意に抑制され、不眠症の新規発症率に関しても有意差がみられた。多変量ロジスティク回帰分析で検討したところ、介入群は不眠やうつ状態の新規発症リスクを有意に下げる結果となった。以上より、高校生に対する睡眠を中心にした包括的な生活習慣教育は、不眠や精神的健康度に関連する症状の発症を抑制するものと考えられた。
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