心不全の予後改善のために対処可能な合併症とされる睡眠時無呼吸症では、就寝時の下肢から上半身への水分シフトが原因の一つとされ、これをさらに証明する検討を行った。急性心不全では、睡眠時無呼吸症の重症度は水分シフト量と関係し、治療経過中に水分シフト量の低下と関連し軽症化することを報告した。また、僧帽弁閉鎖不全でも、睡眠時無呼吸症の重症度と水分シフト量が関係し、外科治療前後で、水分シフト量の変化と重症度の変化の間に関係性を認めることを報告した。急性心不全後の心臓リハビリテーションにより、水分シフト量の低下に関連した睡眠時無呼吸症の軽症化が得られるか否か検討を継続し、いずれも論文化する予定である。
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