研究課題
本研究は、閉塞性睡眠時無呼吸などの睡眠呼吸障害患者(SDB)に対して、睡眠中に持続陽圧呼吸(CPAP)圧を増減させ、それに対する換気反応、覚醒反応をみることで、その患者の呼吸調節、覚醒性、上気道虚脱性とその相互関係を評価し、病態解析を行うことを目的とした研究である。ヒトを対象とした介入を行う生理学的研究であるため、前年度まで症例数の集積が不十分(21例)であったため、研究期間を延長して行った。平成29年度は7名実施し、総数28名に実施したが、入眠できなかった症例や、トライアル数が十分でなかった症例を除いて、解析中である。また、並行して、臨床上用いられるPSG検査210名のデータに基づくクラスター分析を行い、フェノタイプ分類に分け、肥満かつ無呼吸割合高値かつ高度低酸素血症群、非肥満かつ無呼吸割合高値かつイベント時間長持続群、無呼吸割合非高値かつ中枢性無呼吸頻発群に分けられ、その特徴をまとめた論文を、現在投稿中である。CPAP圧増減による介入でのSDB病態解析の生理学的研究と臨床的データのクラスター分析の研究でのサブクラスを組み合わせ、病態的特徴が、PSG検査より得られる表現型との関連性についての解析を進めて、今後、論文化に向け、作業を行っていく予定である。また、多系統萎縮症では、肥満がないにもかかわらず、睡眠時無呼吸の合併が多く、また、経過中、中枢性無呼吸が見られるようになることが知られている。このことについて、呼吸の不安定性を評価する方法としてエントロピー法を使用し、臨床PSGデータから覚醒時の呼吸の不規則性を評価し、同程度の閉塞性無呼吸の患者と比較した論文を現在、投稿中である。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Sleep Med
巻: 34 ページ: 13-17
10.1016/j.sleep.2017.01.020.