研究課題/領域番号 |
26510018
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
久徳 康史 中央大学, 研究開発機構, 機構准教授 (70569706)
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研究分担者 |
檀 一平太 中央大学, 理工学部, 教授 (20399380)
山科 満 中央大学, 文学部, 教授 (40306957)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | PTG / PTS / PTE / 東日本大震災 / 心理的適応モデル |
研究実績の概要 |
災害による非常に大きいストレスは、心理的トラウマとなりうる出来事(PTE)の最たるものである。このPTEにより心理的外傷後ストレス症状(PTS)と言うネガティブな心理的反応だけではなく、心的外傷後成長(PTG)と言うポジティブな心理的反応が起こり得ることが報告されている。 2016年度はネガティブな心理的反応であるPTSに主眼を置き査読付き学術論文を投稿する予定であった。しかし、解析中にPTGの軌跡(Trajectory)を基に偽性のPTGと真正のPTGの判別が可能であることが示唆された。本知見は非常に新奇性が高く、理論上PTSが生じる心理的過程の解明にも深く関与するとが考えられている。このため、PTG Trajectoryに関する論文投稿を優先的に進めている。また、東日本大震災60か月後、及び、熊本地震3か月後の非侵襲的なインターネット測定も行い、異なる災害により心理的反応にどの様な違いが生じるかを検証している。これらの結果をまとめ2018年度アメリカ心理学会(APA)大会への投稿を予定している。 また研究分担者である山科らが「東日本大震災における保健師の心理的過程」を保健師ジャーナル誌上にて報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度PTS 関連の論文を投稿する予定であったが、解析中にPTG軌跡(Trajectory)を基に偽性のPTGと真正のPTGの判別が可能であることが示唆された。この知見は非常に新奇性が高く、理論上PTSにも深く関与するとが考えられている。このため、PTG Trajectoryに関する論文投稿を優先的に進めている。このため2016年度投稿予定であったPTS論文の代わりにPTG Trajectoryに関する論文を優先することに変更したため、当初の計画より論文投稿が遅れている。 測定に関しては当初計画していた東日本大震災60か月後の測定だけではなく、熊本地震3か月後の非侵襲的なインターネット測定も行い、当初の予定より測定データが増加した。
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今後の研究の推進方策 |
熊本地震に関するデータが得られたことにより、東日本大震災と熊本地震に関する心理的適応過程について比較検討することが可能になった。これらは非常に希少性が高く有意義なデータである。そのため、災害に対する心理的防備策に有効な知見を得るため解析や結果検証を行う。 得られた知見の発表に関してはPTG Trajectoryを主眼とした学術論文を優先し、次にPTSを主眼としたものを順次発表する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度予定していた論文のテーマに変更があったため、論文の構成に関して修正を行うため学術誌への投稿が今季にずれ込んでいるため。
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次年度使用額の使用計画 |
上記事由のため、データ分析、結果検証、論文投稿、学会投稿に関わる費用に次年度使用分を充てる。
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