研究課題
本研究では、地域密着型金融の導入によって活発化した地域金融機関の企業経営支援活動に着目し、その実態と産業創出等の効果、当該活動に影響を及ぼす因子について調査・検証を行った。3か年計画の初年度となる平成26年度には全国の国立大学法人及び全金融機関に対してアンケート調査を実施した。また、研究期間全期を通じて、全国の活動の実態について現地ヒアリング調査を実施した。加えて、特に特徴ある事例については、地域金融機関の実務担当者を招聘し、先進事例に学ぶ研究セミナーや研究会を各年度において開催した。これらの調査結果は、研究分担者から構成される研究推進タスクフォース会議において共有され、分析の視点が都度議論された。分析の結果として得られた知見については、学会研究大会等においてセッションを組み一般講演として発表されたほか、研究論文としてとりまとめ、産学連携学会、地域活性学会の学会誌に投稿、査読受理後に掲載された。これら一連の研究活動の結果、以下のことが明らかとなった。地域密着型金融の導入によって地域金融機関における様々な企業経営支援活動が展開されている。それは、当初の政策誘導色の強い性格のものであったものから、中小企業金融円滑化、地域中小企業活性化へと金融機関に求められている要請が大きく変化するなかで、より多様かつ自発的な活動内容へと変化してきている。一方、金融機関の活動の多くには地域性が大きく影響し、広域的活動については今後の展開を待つ状況にある。金融機関の意識として、支援活動を通じて金融業務にプラスの効果を期待する傾向が特に地方銀行に表れているのに対し、大学等との連携による新産業の創造については依然として消極的姿勢も見られた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
地域活性研究
巻: 8 ページ: -
産学連携学
巻: 13,1 ページ: 48-64