本研究では高齢者の生活様式・遺伝的背景の多様性理解のためのモデルとしてのゼブラフィッシュの有効性を調査した。その結果、1)成魚老年度測定システムの構築に成功し、老魚では運動量と聴力が減弱することを見出した、2)同居実験を行い、老雄の健康度が若雌と同居させると維持される傾向を見出した、3)ストレス防御機構Nrf2経路と健康寿命の関係を探るためにNrf2破壊魚を解析したが、壮年期では明快な表現型はなかった、4)食による健康寿命を目指したゼブラフィッシュ活用を試み、その有用性を実証した。以上、老年学モデルとしてのゼブラフィッシュの有効性を示せた。ただし、より大規模の研究を行う必要性も浮かび上がった。
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