研究課題/領域番号 |
26520107
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
安武 敦子 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (60366432)
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研究分担者 |
才津 祐美子 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (40412613)
渡辺 貴史 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (50435468)
佐々木 謙二 長崎大学, 工学研究科, 助教 (20575394)
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研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢化 / 人口減少 / 離島 / 五島 / 伝統芸能 / 公共施設等総合管理計画 / インフラ / 過疎 |
研究実績の概要 |
平成26年度は対象を二次離島を持つ五島市として調査研究を実施した。五島市は1市5町が2004年に合併し,福江を中心部として,1市4町が福江島に位置し,奈留島は旧奈留町にあたる。旧福江市は二次離島として久賀島,椛島等を抱える。離島を類型化するにあたり,離島のハブ的地点,一次離島内遠隔地,二次離島があり,二次離島も独立した町であった奈留島と戦後すぐ(1952年)に福江市に編入された久賀島という特徴の異なる島で構成される。 そこでまず各省庁等の方針を整理し,統計的データを用いて高齢化率や人口減少傾向を把握した。さらにインフラや山林農地の維持保全について(建設課,農業振興課,農林整備課),伝統芸能やその観光資源としての位置付けについて(教育委員会,観光交流課),高齢者サービスや介護の状況について(長寿介護課),公共事業の再編,UIターンや地域おこし協力隊,公民館事業に関して(市長公室),市役所の各部署へ聞き取り調査と資料収集を行った。さらに玉の浦支所,奈留支所に対して支所振興計画の状況を把握した。 公共事業の観点からは今後の新規投資はゼロベースでむしろ集約の方向にある。伝統芸能の観点からはオーセンティシティが求められるが,担い手は不足しており,観光として担い手の募集やボランティア等を役所を中心に組織しているが積極的とはいいがたく,行事のなかには自分たちの代までというものも見られた。また行事を支える楽器や衣装の材料や職人もなくなりつつある。福祉に関しては保険の費用負担が大きい市で,行政は不要・不平等なところは抑制する方針である。特別養護老人ホームへの入居は旧町境を超えて起こっている。UIターンに関しては現在のデータは部分的であり,転入者のすべての属性を把握する方向である。自治会組織は予算の統合など再編されているが,人手不足に加え,その単位や組織体制の検討がまだ不十分と見て取れる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研における特定分野の決定が7月であったため,準備時間が不足し,夏期に調査を実施する体制を取れなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究メンバーで巡検を実施し,情報の共有,問題の共有を行った。今年度はフィールドを定めて,研究を深化させ議論をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は2点ある。 1年目に予定していた壱岐や対馬の調査,先進事例の視察が夏期に調査を企画できなかったため実施できなかった。 連携研究者である坂本氏とのミーティングの日程が調整できずwebを利用して実施した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度前半に昨年度分の調査および視察を終わらせ,昨年度行っていない集落では,役所や図書館等で統計資料や郷土資料,マスタープラン,町内会の議事録,議会資料,地図を収集し,整理・分析する。
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