研究課題/領域番号 |
26520110
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
西本 真弓 阪南大学, 経済学部, 教授 (00388604)
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研究分担者 |
西田 喜平次 兵庫医療大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50631652)
遠藤 秀紀 日本福祉大学, 経済学部, 准教授 (10340283)
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研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2019-03-31
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キーワード | 看取り / 在宅療養支援診療所 / 訪問看護ステーション |
研究実績の概要 |
本研究では、以下の3つの分析を行う。(1)在宅療養支援診療所と看取りの関係性の分析、(2)厚生労働省の『介護サービス施設・事業所調査 訪問看護ステーション票』の個票データを用いて、今後の訪問看護ステーションと医療機関との連携体制の在り方に関する分析、(3)在宅療養支援診療所や高齢者総合ケアセンターを訪問して、看取りのケーススタディを行い、看取りの現状把握の3つである。 平成27年度においては、(1)の研究については引き続き、データ入手を行いつつ、入手済みのデータからデータベース化を行った。また、各在宅療養支援診療所に関する個票データでの分析に先立ち、厚生労働省に開示請求することで得られた都道府県別の個票データを用いて都道府県ベースの実証分析を行った。 その結果、明らかになったのは、以下の4点である。①雪日数が多いほど在宅療養支援診療所数が少なくなる。②後期高齢者医療費が高い都道府県では在宅療養支援診療所数が有意に多くなっている。③一般病院数は在宅療養支援診療所数に影響を与えないが、一般診療所数が多い都道府県では在宅療養支援診療所数が有意に多くなり、療養病床数が多い都道府県では在宅療養支援診療所数が有意に少なくなる。④看護師・准看護師数は有意な影響を及ぼさないが、医師数が多い都道府県では在宅療養支援診療所数が多くなることが有意に示された。以上の結果について、現在、論文を執筆しており、完成後は投稿の予定である。 また、(3)の研究については、高齢者介護施設を訪問しベースとなる資料を作成中である。さらに、高齢者介護の研究の関連で、「介護離職ゼロはどうすれば実現できるか」というタイトルで原稿を執筆し、日本評論社の『経済セミナー2016年4・5月号』に掲載されている。なお、この原稿は、日本経済新聞(2016年4月24日朝刊)の「経済論壇から」に取り上げられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、(1)在宅療養支援診療所(在支診)のデータ解析、(2)訪問看護ステーションのデータ解析、(3)看取りのケース・スタディ、を行う予定である。(1)のデータ収集とデータベース化の作業は予定通りに進行している。また、(3)のケース・スタディのための施設訪問も順調に行っており、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず(1)に関する都道府県ベースの分析結果の論文を完成させる。(3)の施設訪問も並行して行いながら、(1)の個票データを用いた分析にも着手したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度は、想定していたより、データ入力作業に費用を使わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度は、データ入力作業の依頼をさらに積極的に行っていく予定である。
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