研究課題/領域番号 |
26520202
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
三浦 佳二 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60520096)
|
研究分担者 |
中田 一紀 広島市立大学, 情報科学研究科, 特任助教 (40404107)
|
研究期間 (年度) |
2014-07-18 – 2017-03-31
|
キーワード | Applied Topology / Touch Counter / Neural Networks |
研究実績の概要 |
本年度においては、本研究課題の当初の目的どおり、トポロジー分野におけるモース理論に基づいたタッチセンサーを開発することができた。トポロジカルである事を目指して、すなわち、タッチする手の形状や位置に依存せずに、連続変形で不変な連結成分数や穴の数を認識できるセンサーを開発した。特に、モース理論を用いる事により、タッチされた画素の中でも、極値となる少数の点の数のみを数えるだけで計算できる並列アルゴリズムを開発した。これによりリアルタイムで演算できるようになり、実時間の手書き数字認識などへの応用が期待されるものである。またこのアルゴリズムは工学的に有用であるばかりでなく、分散された神経細胞から大域的整合性のある不変量を取り出す脳の情報処理のモデルともなっている。研究成果は、査読付き英語論文の他、各種学会においても発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の目的を達成するような、モース理論に基づく定式化によるトポロジカルなタッチセンサーを、最終年度を待たずして、論文発表することができた。さらに、開発されたアルゴリズムは、並列実装によりリアルタイムで動作できるという特性を持たせる事ができたため、今後、実時間の手書き数字判別などへの応用が期待できるものとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
トポロジカルなセンサーのさらなる発展を目指して、ジェスチャーの運動軌跡の交点検出への応用も目指す。アルゴリズム開発だけでなく、物理的な実装も進める事で、デモ発表も行いたい。また、本研究課題は、新しい分野を切り開く研究であり、総説論文を執筆して広く本分野における成果を知ってもらうことも重要であると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
三浦が異動して専任教員となり、学生が配属される状況が未知数であるなどして、必要な物品を初年度には判断できなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究を補助してくれる学生用のPC購入費用に充てる予定である。
|