楕円型境界値問題に対してEFG法とX-EFG法による離散化を行うと,それぞれ対称と非対称係数行列をもつ連立1次方程式が得られる.しかしながら, Krylov空間法を得られた連立1次方程式の解法に適用すると,対称版・非対称版を問わず,拘束条件数の増加と共にKrylov空間法の収束特性は著しく劣化する. 収束特性の劣化を抑制するために,拘束条件行列の像空間とその直交補空間への射影子を用いて,連立1次方程式からLagrange未定乗数を完全に消去した.さらに,得られた連立1次方程式のソルバーに Krylov空間法を採用した結果,拘束条件数を増加させても収束特性が劣化しないことも数値的に実証した.
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