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2016 年度 実施状況報告書

カニ類と微生物の連携的なセルロース分解に着目したマングローブ炭素循環モデル

研究課題

研究課題/領域番号 26520308
研究機関高知大学

研究代表者

足立 亨介  高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (00399114)

研究分担者 池島 耕  高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 教授 (30582473)
研究期間 (年度) 2014-07-18 – 2018-03-31
キーワードマングローブ / 炭素循環 / カニ / 土壌 / 腸内細菌 / セルロース分解
研究実績の概要

昨年度までに得られたデータ、主にメタゲノムデータの解析を行った。結果、腸内細菌ではカニ宿主の種を問わずvibrio属を含む複数の属の細菌の存在が示された。また、これらの機能的な解析からこれまで主として来たセルロース分解(炭素循環)以外の機能も示唆された。また昨年度の報告で見いだされたCellulomonadaceae属の細菌については別の属である可能性も見出され今度、慎重に更なる検討が必要であることが示された。カニ宿主間の比較では同種の菌叢ほど似通っていることが示されたが、予備的なデータながら一方で大きく生息環境の異なる地点でサンプリングした個体はこの例に沿わない可能性も示唆された。

土壌細菌の解析では他の研究者の報告にあるようにセルロース分解(炭素循環)に関わる要素よりむしろ硫黄代謝、窒素代謝に関わる細菌の存在が多く示された。また、サンプリングポイントごとでの比較ではマウンドの高低差によって、若干菌叢が変わる結果が得られたこれはマウンド下部が日々潮汐にさらされるのに対し、上部は高潮のときのみ浸漬されることが理由と考えられる。またカニ類の肝膵臓mRNAのNGS解析から1種のセルロース分解酵素のほぼ全長配列を取得した。同解析では同酵素以外にも複数の消化酵素の断片配列を取得する事ができた。

今年度予定していたカニの消化液、腸内細菌、土壌の三者単独、もしくはこれらを組み合わせたセルロース分解反応系を構築し、各々の試験区で分解速度を算出する、ことはサンプリングの問題から実施できなかったため、期間を一年延長し、この実験を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度予定していたカニと土壌の連携的なセルロース分解反応系を構築し、各々の試験区で分解速度を算出する実験はサンプリングの問題から実施できなかったため、期間を一年延長し、この実験を行う。

今後の研究の推進方策

カニと土壌の連携的なセルロース分解反応実験

次年度使用額が生じた理由

サンプリングが予定通り出来なかったため。

次年度使用額の使用計画

酵素反応実験

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Cellulolytic activity in the hepatopancreas of Chionoecetes opilio and Chionoecetes japonicus: enzymatic adaptations to deep sea environment,2016

    • 著者名/発表者名
      Adachi, K., Tanimura, K., Mitsui, T., Morita, T., Yosho, I., Ikejima, K., Morioka, K.
    • 雑誌名

      Fisheries Science,

      巻: 82 ページ: 835-841

    • DOI

      10.1007/s12562-016-1014-8

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] マングローブクラブ腸内細菌とその生息土壌の持つセルロース分解活性2016

    • 著者名/発表者名
      足立亨介, 杉岡茉美, Prasert Tongnunui, 荒木通啓, 森岡克司, 池島耕.
    • 学会等名
      平成28年度 第22回日本マングローブ学会大会
    • 発表場所
      於 東京農業大学、日本
    • 年月日
      2016-12-10 – 2016-12-11
  • [学会発表] ビデオ観察によるマングローブ林のベンケイガニ類生息密度の推定.2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木実央, 池島 耕, 足立亨介, Prasert Tongnunui.
    • 学会等名
      平成28年度 第22回日本マングローブ学会大会
    • 発表場所
      於 東京農業大学、日本
    • 年月日
      2016-12-10 – 2016-12-11
    • 国際学会
  • [学会発表] RNA seq analysis of hepatopancreas of mangrove crab Episesarma versicolor2016

    • 著者名/発表者名
      Kohsuke Adachi, Kohei Kawai, Michihiro Araki, Prasert Tongnunui, Katsuji Morioka, Kou Ikejima.
    • 学会等名
      International Conference in Challenges in Environmental Science & Engineering
    • 発表場所
      Kaohsiung, Taiwan
    • 年月日
      2016-11-06 – 2016-11-10
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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