本研究課題では,効率的で有用性の高い準同型暗号の提案,およびその実社会への応用を目指して研究を進めた.まず,準同型暗号を用いた関数評価を行う権限および復号結果を得る権限をデータ提供者がコントロールできる方式の提案を行った.このコントロールを実現するためにはオーバーヘッドが生じるが,実装によるオーバーヘッドがわずかであることを確認した.さらに,準同型演算実行の前処理として検索を行う処理を組み込むことにより,意図しない準同型演算を禁止させることができる方式の提案を行った.さらに,周辺研究として,部分空間メンバーシップ暗号,プライベート情報探索,検索可能暗号の提案も行った.
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