研究課題/領域番号 |
26540030
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
八杉 昌宏 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (30273759)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | プログラミング言語 / 計算機システム / ソフトウエア開発効率化・安定化 / ディペンダブル・コンピューティング / ハイパフォーマンス・コンピューティング / 型付中間言語 / メモリモデル |
研究実績の概要 |
汎用性の高い型付中間言語、すなわち広く様々な高水準言語からの翻訳の共通のターゲットとしての低水準の型付中間言語を、安全で高性能な言語処理系(計算基盤)が作成できる形で定義することは、高水準言語間の連携などの点で言語処理系技術に貢献しようとする研究者の挑戦的な夢である。さらにマルチコア化を活用した共有メモリによる高性能な多言語並列計算の安全性確保(データレース回避の検証等)は極めて挑戦的である。本研究では近年の型理論の成果(依存型等)を踏まえて、その設計に挑戦している。 本研究は型付中間言語MILを開発する形で進めている。平成26年度は、MILの汎用性ならびにMILレベルにおけるメモリモデルと安全性確保(データレース回避の検証)のサポートを中心に研究を進めた。汎用性では、正確なごみ集めのサポートや、配列、依存型のための存在型・全称型、クロージャのサポートに注意した。 MILレベルにおけるメモリモデルは、既存のアプローチと同様、データレースがない(data-race-free な)プログラムについては 逐次一貫性(sequential consistency)が得られるという点を基礎とする。データレース回避が検証できないプログラムは型検査をパスしないという点で安全性を確保することを目標としており、そのような中で、現状の技術でデータレース回避(data race freedom)を検証するには、プログラム論理、fractional な所有権、分離論理などに基づいていくことで一定の範囲がカバーできるとの方向性を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題が挑戦的であることもあるが、データレース回避の検証に限っても、フェーズが変わったことをどのように表現するか未定である。
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今後の研究の推進方策 |
比較的需要が高い応用例に限定した議論も行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率よく予算を利用するため集約可能な物品購入を次年度に持ち越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
持ち越した物品購入を計画している。
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