研究課題/領域番号 |
26540038
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
佐藤 健哉 同志社大学, 理工学部, 教授 (20388044)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ユーザインタフェース / スマートグラス / デバイスインタラクション |
研究実績の概要 |
コンピュータ操作において,将来普及すると予想されるメガネ型デバイス(例:Google Glass)を利用して,生活空間の多種多様な機器の状況を理解し操作する状況においても,利用者共通の概念が必要となる.本研究では,三次元仮想空間を通して物理世界とのインタラクションを実現することで汎用性の高いサイバー・フィジカル・ユーザ・インタフェース(CyPhyUI)という新しい概念の確立を行う. 操作対象の認識には,これまで通常の家電機器に設置されているLEDを特定のパターンで点滅させて,そのパターンをメガネ型デバイスのカメラで読み取ることで機器固有のIDを特定していたが,カメラのフレームレートが高くないため,LEDの点滅周期を遅く設定する必要があり,送信情報量が少ないという問題があった.そこで,ここでは3 つの可変色 LED を正三角形の頂点に配置する形を採用した.それぞれの LED の点灯によって送信ビットを表し,キャプチャした画像から検出される LED のカメラ座標からマーカまでの位置と方向を特定する.これにより機器固有のIDの取得時間が短くなり,精度も向上することが判明した. 一方,メガネ型デバイスをユーザインタフェースとする場合,情報の入力の方法が問題となる.指の動きをカメラで認識し,指をペンに見立てて空間へ描画し,描画した手書き情報をジェスチャとして認識する手法を開発したが,現在のカメラとCPUの技術では指のジェスチャ認識の精度を向上できないという問題がある.そこで,指にLEDとスイッチ付きの指輪を利用する方法を開発した.指輪型デバイスのスイッチにより,赤外線が点灯している場合は指動作をトラッキングする制御を行う.動作速度やハンズフリーである点において優位性があることを示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スマートグラスによる三角形配置LEDの特定パターン読み取り方式の開発により,機器からカメラまでの位置と方向を特定し,3倍の情報量送信により機器固有のIDの取得時間が短くなり,精度も向上することが判明した.また,スマートグラスのユーザインタフェースの指ジェスチャ認識精度が低い問題に対して,LEDおよびスイッチ付きの指輪型デバイスで動作速度やハンズフリーである点において優位性があることを示すことができた.ただ,論文などの対外発表がやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
これまで実施してきた手法の認識精度をさらに向上させ,状況に応じた評価環境により定量的に評価し,積極的に外部発表を行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
定量的評価が十分でなかったために,外部発表の件数が少なかったことが予算執行の差異の原因である.
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は積極的に外部発表を行う.
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