研究課題/領域番号 |
26540043
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石川 佳治 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (80263440)
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研究分担者 |
肖 川 名古屋大学, 高等研究院, 助教 (10643900)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 複合イベント処理 / オントロジ / 位置情報 / データストリーム / 問合せ処理 |
研究実績の概要 |
本研究では,近年着目されている複合イベント処理(CEP)をより高度化するために,イベントに関する知識をオントロジを用いて表現し,それを処理するための高レベルのイベント処理技術を開発することを目指している.今年度は主として,1) 位置に基づくソーシャルネットワーク(Location-Based Social Network, LBSN)を対象としたオントロジの構築,2) 1)で開発したオントロジと連携した,複合イベント処理システムの実装技術の開発とプロトタイプ構築 を行った. 1)に関しては,位置に基づくソーシャルネットワークとして,学園祭や災害避難など,異なるドメインを対象としてオントロジを構築し,共通した機能をまとめるなどし,LBSNオントロジとしての構造化を図った. 2)については,入力イベント(プリミティブイベント)はRDF形式のストリームで与えられることを想定し,C-SPARQLと呼ばれる問合せ処理系によりイベントのフィルタリングをまず実施する.その後,登録済みの複合イベント記述にしたがって複合イベントを検出する.後者の処理については,リレーショナルデータベースのビュー機能を用いており,リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)での実行を行う.この問合せ処理技術についても開発を行った. 本年度はこれらをまとめる形でのプロトタイプシステムの開発も行い,シミュレーション環境のもとでの実験・評価も進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,上記課題1), 2)について,予定していた開発内容がおおむね実施できたと考えている.どちらの課題においても,オントロジや問合せ処理手法などの基本的な技術が開発でき,また,それらの有効性をある程度評価できる実験・評価等が行えた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度については,それぞれの課題についてさらに精緻化を図る.おおまかな手法については今年度のアプローチを基礎とするが,より現実的な状況への対応を図る.オントロジについては,既存の他のオントロジの活用と一般化を図る.問合せ処理技術に関しては,支援する問合せの機能増強などを図る. 今年度は最終年度であることから,論文としてまとめ,国際会議や学術雑誌において積極的に成果発表も行っていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果を年度後半に国際会議等で発表したいと考えていたが,年度後半に適切な国際会議が存在しなかったため,次年度の国際会議での発表を行うことにしたため. また,備品として実験用のノートPC等の購入も考えていたが,今年度については既存の設備で対応できたため.
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次年度使用額の使用計画 |
一つには,上記のとおり,国際会議での発表のための渡航費・登録料のために使用することを予定している.また,最終年度の取りまとめの実験用のPCもしくはノートPCが必要となると予想されるため,購入を予定している.
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