研究課題/領域番号 |
26540044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 裕剛 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00324674)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 裸眼立体視 / 3Dディスプレイ / 輻輳調節一致 / 多人数同時 / 動画提示 |
研究実績の概要 |
本年度はディスプレイを大型化すると共に、プロジェクタの各ピクセルとディスプレイ内に配置した空隙との対応関係のテーブルを作成するための自動キャリブレーション手法を3種類考案・実装し、被験者実験によりその性能を評価した。これにより、提示映像のノイズを大幅に減らすことが可能になったと共に、複数のプロジェクタを同時に使用することによりディスプレイの画素数を増やすことが容易になった。 3種類のキャリブレーション手法は、1.プロジェクタの各画素を1ピクセルづつ変化させながらカメラで空隙を撮影し、その対応関係を自動検出する手法、2.線状の映像を照射させながらカメラで空隙を撮影し、その対応関係を自動検出する手法、3.構造化光を照射させながらカメラで空隙を撮影し、その対応関係を自動検出する手法の3手法である。被験者実験の結果、2番目の手法が、精度と処理時間のバランス上、最も良い手法であることが判明した。この手法により、約30分で自動的にキャリブレーションを実行することが可能になった。ディスプレイを新たに設置した場合や移動させた場合にキャリブレーションが必要であるが、実用的短時間でキャリブレーションを実行することが可能になったことにより、学会やイベント会場にディスプレイを持ち込んで映像を提示することが可能になり、ディスプレイの実用性を向上させることができた。また、本年度は動画を表示することを可能にした。表示した動画を被験者に観察してもらった結果、正しく映像を認識できることを確認できた。 本年度実現した成果を学会でデモンストレーション発表したところ、優秀プレゼンテーション賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は事前の計画通り、1.ディスプレイのサイズの大型化、2.複数のプロジェクタを同時に使用可能にするための手法の開発を実現できたが、複数のプロジェクタを用いる際に、光拡散領域の配置に冗長性を持たせる手法は実現できなかった。一方、次年度に予定していた動画を表示可能にすることは、前倒しで本年度に実現できた。 当初の計画では、ディスプレイを3Dプリンタを用いて出力して作成する予定であったが、透明度が不十分であることが昨年度判明したため、クリスタルガラスを加工して用いている。3Dプリンタを用いていた場合、大型化すると空隙の配置の精度が悪くなることが懸念されたが、クリスタルガラスを用いた場合、大型化しても空隙の配置の精度が映像の質に影響を与えるほど悪くならないことが判明した。そのため、空隙の配置の精度の悪化に対処するための手法の開発は不要になり、光拡散領域の配置に冗長性を持たせる手法の開発が実現できなかった影響は小さい。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では、最終年度にはディスプレイ内部に鏡面領域を配置することにより光線を反射させ、空隙の配置の自由度を向上させることによりディスプレイの解像度を向上させる予定であったが、透明度が不足することが原因で3Dプリンタを利用することが難しいことが判明したため、クリスタルガラスを使用している。そのため、当初予定していたディスプレイ内部に鏡面領域を配置することは困難である。そこで、最終年度はプロジェクタの台数を予定よりも増やすことにより解像度の向上を試みる予定である。 その他については、深度カメラから得られた映像をリアルタイムでディスプレイに表示可能にするなど、予定通りの研究開発を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ディスプレイを3Dプリンタの出力ではなくクリスタルガラスを加工して製作したため。
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次年度使用額の使用計画 |
プロジェクタの台数を予定よりも増やすために使用する。
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