研究実績の概要 |
不揮発性メモリが登場し,スーパーコンピュータやクラウドデータセンターへの搭載が進んでいるものの,その利用は従来のファイルと同様であり,不揮発性メモリデバイス本来の性能や可能性を活かしきれていない.そこで,ソフトウェアからの不揮発性メモリ利用に関する要素技術として,不揮発性メモリをDRAMの拡張領域として扱うための技術を推進した.具体的には,GPUアクセラレータと不揮発性メモリデバイスを搭載したスーパーコンピュータ向けのMapReduce処理系や,Sort, PrefixSum, Unique, SetIntersectionなどのビッグデータカーネルのOut-of-core化などを進め,メモリ容量を超える大規模なデータセットに対しても高速な処理を実現した.特に,AI/ビッグデータ処理などへの応用を見越して,次世代の不揮発性メモリの主流と考えられている3D XPointメモリを対象にI/Oワークロードの詳細な解析を進め,有効性の確認を行った.ストレージ I/O (fio),ストレージI/Oの遅延隠蔽 (libaio),メモリバンド幅 (STREAM),演算性能 (GEMM),ビッグデータ処理性能 (Graph500) など不揮発性メモリのプログラム構成法の要素技術をベンチマークツール化し,これらを用いて, AI / ビッグデータ処理を模したワークロードを実行して性能評価を行い,DRAM メモリを超える規模のデータセットに対しても性能低下を抑えて透過的なメモリアクセスを提供できることを確認した.また,不揮発性メモリへのデータの永続化を前提としたプロセスマイグレーションに関しては,SingularityなどのHPCコンテナを対象としし要素技術の検討を行った.
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