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2014 年度 実施状況報告書

複数ロボットの共同注視を用いた注意誘導システムの研究

研究課題

研究課題/領域番号 26540058
研究機関北海道大学

研究代表者

小野 哲雄  北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (40343389)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード社会性 / 共同注意 / ロボット
研究実績の概要

平成26年度は、ロボットを用いた遠隔操作による実験(Wizard of Oz法)により、「集団」における共同注視や共同注意のメカニズムを解明するための実験を行った。具体的には、ヒューマノイドロボット2体と、被験者1名により、ロボット2体が被験者を共同注視した場合と共同注視しなかった場合に条件を分け、それぞれの場合の被験者の振る舞いについて調査を行った。実験の結果、ロボット2体が被験者を共同注視した場合、その後、被験者はロボットによって容易に視線を誘導されるようになり、また被験者はロボット同士の理解不能な人工言語をも理解しようと試みることが明らかとなった。しかし、ロボット2体が被験者を共同注視しない場合は、前者のような傾向は見られなかった。この実験結果から、ロボット2体の被験者への共同注視は、「コミュニケーションの場」へと被験者を引き込み、ロボット2体と被験者の3者間に関係が構築されたと解釈することができる。さらに、3者間には共同注意が形成されたため、被験者の視線の誘導が容易となり、同時に被験者を理解不能な人工言語の理解へと向かわせたと解釈することができる。
上記の研究成果から、平成26年度の当初の目的は達成することができた。これらの研究成果を基礎として、平成27年度は、人とロボットの「集団」における共同注視や共同注意のメカニズムを用いたシステムの構築を行う予定である。具体的には、視覚認知科学において提唱されている顕著性マップや、我々の提唱する社会性モジュールの実装が重要となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書の「研究の目的」に記載したインタラクション実験を行い、予期していた実験結果が得られたため、研究は概ね順調に進展していると考える。しかし、このインタラクションの過程のモデル化については、緒についたばかりであり、まだ明確な成果は得られていない。この点を踏まえ、平成27年度のシステムの実装へ結び付けていきたい。

今後の研究の推進方策

平成27年度は、前年度の実験結果に基づき、「集団」における共同注視や共同注意のメカニズムを用いたシステムの構築を行う予定である。特に、本システムでは、「社会性モジュール」による、人の視線誘導および注視対象の一致、および、「顕著性マップ」の技術的な応用がポイントとなる。これらの点に留意し、複数台のロボットと人のフィールド実験を行い、研究の妥当性を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の予算は年度内に執行したが、事務処理手続き上の日時とずれがあり、58,783円の繰り越し扱いとなった。

次年度使用額の使用計画

当該の予算は、平成26年度内に執行済みである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Unification of Demonstrative Pronouns in a Small Group Guided by a Robot2014

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ichijo, Nagisa Munekata, Tetsuo Ono
    • 学会等名
      2nd International Conference on Human-Agent Interaction
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2014-10-28 – 2014-10-31
  • [学会発表] Daily Support Robots that Move on the Body2014

    • 著者名/発表者名
      Tamami Saga, Nagisa Munekata, Tetsuo Ono
    • 学会等名
      2nd International Conference on Human-Agent Interaction
    • 発表場所
      筑波大学(茨城県つくば市)
    • 年月日
      2014-10-28 – 2014-10-31

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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