本研究ではヒトがどのような認知メカニズムのもとで気持ち悪さという感情が形成されているのかという問題について検討した。期間内に,結果として22本の査読付き論文と62件の学会発表を行い,日本語版嫌悪感尺度の作成,気持ち悪さや不気味さの個人差の検討,感情と身体との関係,感情の文化差,身体・注意・意識に関わる様々なメカニズムなどを明らかにした。本研究の成果は嫌悪感がどのようにして意識的に感じられているのか,そして嫌悪感に我々の行動がどのように規定されているかを考える上で非常に重要な示唆を与え,今後の研究への橋渡しとなることができた。
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