本研究では、空間的注意の訓練を行うことで、空間並びに社会的注意が広がり、幸福感を向上させることが可能となる全く新しいうつ病などに効果のある認知療法開発の基盤として、人のこころの状態と注意機能の関係を明らかにした。実験では、独自のスマホアプリを開発し、日常生活の中で変化する幸福度を記録すると同時に、視覚探索課題を遂行することを可能とした。この結果、幸福度が高い時は注意を必要とする視覚探索課題の速度が速いことを明らかにした。これは逆に、視覚探索課題のパフォーマンスをモニターすれば、人の幸福度を推定可能であり、課題を速くできるような訓練で幸福度を向上させる認知療法の開発が可能であることを示した。
|