研究課題
本研究課題の目的は,4次元光線空間の照明と,4次元の光線空間の記録を組み合わせて得られる8次元の光伝播を解析対象とし,表面下散乱や体積散乱など,これまで解析が困難であった光学現象から幾何・光学情報を抽出することである.本研究では,研究代表者2009年度から2011年度にかけて行った科研費挑戦的萌芽研究「多面体ミラーを用いた8次元光線空間の記録」実績を元にしたものであり,十分な機材と知見があったため,比較的早い段階で当初の目的を達成できた.そこで,最終年度となる2016年度には,4次元光線空間の照明については,少ない計測から光線強度を校正する解法を明らかにした.さらに,照明が2次元ではなく4次元である利点を活かして,奥行きごとに異なるパターンを投影できる照明システムの完成度を高めた.また,4次元の光線空間の記録については,光線空間カメラを用いて光線の位置と方向に関する滑らかさを拘束とした領域分割法を明らかにした.さらに,研究計画段階ではまだあまり一般的ではなかったToFが,研究実施中に急速に普及しはじめ,手軽に利用できる環境が整ったこともあり,ToFカメラを利用した光伝播解析に新たに取り組んだ.その結果,時間軸方向の光伝播の解析が可能となり,ToFカメラを用いて透明物体の3次元形状を推定したり,ToFカメラで計測した距離情報の歪みから材質を推定するなど,当初の予想をはるかに超える研究成果が得られた.
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
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