本研究の目的は,4次元光線空間の照明と4次元の光線空間の記録からなる8次元の光伝播を対象とし,表面下散乱や体積散乱などの光学現象から幾何・光学情報を解析することである.4次元光線空間の照明については,効率的な校正法と,奥行きごとに異なるパターンを投影できる照明システムを開発した.また,4次元光線空間の記録については,光線空間カメラを用いて光線の位置と方向に関する滑らかさを拘束とした領域分割法を明らかにした.さらに,研究実施中に急速に普及しはじめたToFカメラを用いて,時間軸方向の新たな次元を加えた光伝播の時間的な解析にも取り組み,光伝播の時間的な遅れから材質を推定するなどの成果が得られた.
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