研究課題/領域番号 |
26540094
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 誠 筑波大学, システム情報系, 教授 (00282343)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自動車運転支援 / 緑内障 |
研究実績の概要 |
本研究は,盲導犬のメタファに基づいて,安全確保のためにあえてドライバの意に背く「利口な不服従」を行い得る運転支援システムの設計と運用の原理を構築する.利口な不服従が許容されるためには,運転支援システムに対する人の適切な信頼が重要であることから,信頼醸成のための訓練プログラムを開発することを目的とする.具体的には,次の課題に取り組む.(i) 「利口な不服従」が許容されうるのはどの程度危険が高まっている場面であるかを明らかにする,(ii)ドライバがシステムを適切に信頼できるようになるための訓練プログラムを開発する,(iii)当該訓練プログラムのもとで,安全・効率的な自動車の運行が可能であることを検証する.平成27年度の課題は,このうち(ii)についての検討である. 平成26年度の成果をベースにして,システムを適切に信頼できるようにするための訓練プログラムの開発に取り組んだ.具体的には,ドライバ自身の能力を自覚させる方法,能力の不足を補うことの限界を自覚させる方法によって,結果としてシステムを信頼するようになるというアプローチを取り,健常者を対象として視野狭窄条件下における研究を行った.視野狭窄などによる能力の不足がある場合には,補償行動によっても補いきれない限界があることを明らかにした. また,システムが安全確保のために介入すべき条件は,システムに対する信頼の醸成度合との関係についても並行して調べた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
訓練方法の検討については,概ね予定通り進捗している.その成果は,一流国際会議であるHuman Factors and Ergonomics Society Annual Meetingでの発表として採択されているほか,臨床眼科学会のシンポジウムでも講演を行えたことに現れている.ただし,システムに対する信頼と,システムが安全確保のために介入すべき条件の明確化については,やや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
システムに対する信頼と,システムが安全確保のために介入すべき条件の明確化については,他の研究プロジェクトにおいて検討を進めてきた信頼研究の成果を利用することによって,研究の加速を図る. そのうえで,平成28年度の当初予定の研究課題に取り組むこととする.
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