研究実績の概要 |
我々は手による創造性を実現するインタラクションの一形態として,熱放射を利用する手法を提案,システムを実装し,基礎的な実験を行った.また,システムのキャリブレーション手法についてコンピュータビジョンを利用した手法を提案し,精度のよい位置あわせを実現した. 提案システムとして熱放射および可動鏡を利用することで,高速な応答性,簡便な機構,強い感覚量の提示を実現することを示した.そして,人に対象の形状情報を伝える手法として,熱放射を利用する手法を提案した.侵害性の刺激を忌避するヒトの特性とあわせて利用することで,高速な応答性をもつ空間知覚を実現するシステムを実装した. 提案システムを利用した熱放射による基礎的な実験として,昨年度にひきつづき,熱放射による45℃付近での感覚変化についてのアンケートによる実験を実施した.掌の温度および距離に応じた制御を加えたシステムを利用した結果,「やわらかい感覚」や「平面を感じた」という感覚が,空間のある領域に固定されることを確認した. また,システムは,熱光源および超音波センサ,熱画像カメラと,多くの座標系が混在している.これらを精度よくキャリブレーションするため,コンピュータビジョンによるキャリブレーション手法を提案し,高精度に座標系間の位置関係をキャリブレーションできることを確認した. 今後は提案した高精度にキャリブレーションされたシステムを用い,空間中での形状提示実験を実施する予定である.
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