本研究では複数の種類の作業において視覚的誤差の拡大提示によって擬似触力覚が生起され,実空間の作業精度が向上することがわかった.どちらの作業でも精度が向上する最適な拡大率は2.0-2.5と考えられ,それ以上では作業時間の増加や逆に精度の悪化などの弊害があることも示唆された.この値は他の作業でも有効となる可能性がある.今後の展望として,目標動作を自動推定する技術と組み合わせ自由な動作へ応用する,視覚変化と誘導の関係を明らかにし任意の誘導を可能にするなどが考えられる.また,訓練装置としての利用も期待出来る.
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