研究課題/領域番号 |
26540101
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
藤田 欣也 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30209051)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 力覚 / 力覚レンダリング / ファントムセンセーション / 振動 |
研究実績の概要 |
立体映像への触覚の付加の実現に向けて,点群データで表現される3次元物体と,手指および手掌との多点干渉検出システム,ならびに,振動ファントムセンセーションを用いた疑似力覚提示デバイスの開発を行った. 手モデルは,円柱で近似される各指のセグメントと分割された掌から成り,それぞれが関節で接続された構造を採用した.対象物体は隣接する点群を接続したポリゴンモデルとし,手首関節を基準に近位のセグメントから順次干渉検出と侵入量計算,さらに干渉解消を反復することで,手の各部分と対象物体の多点接触を可能にした.また,各セグメントをさらに分割し,それぞれの侵入深度を加算することで,手指各部への反力をより適切に計算するアルゴリズムを実装した.さらに,データグローブを用いて,動的な物体との多点接触と,接触によって生じる各部の反力計算が可能であることを確認した. 疑似力覚提示デバイスは,指先部分に5個のボイスコイル型振動子を水平に配置し,それぞれを200Hzで駆動して皮膚に対して摩擦振動させる構造を採用した.さらに,振動子の強度比を制御することによって,指先に法線力と接線力を疑似的に提示可能であることを確認した.デバイスは,アクチュエータにボイスコイルを採用することで,指先部分のデバイス厚8.5mm,1指あたり重量13gが実現された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
手指と対象物体の干渉検出と反力計算を実現し,指部分のデバイスを試作して動作原理を確認した.現状では,計算速度をさらに改善する必要性があり,手掌部分のデバイス試作が途上であることから,上記の自己評価とした.
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今後の研究の推進方策 |
干渉検出の計算速度などの課題はあるが,基本的には当初の計画に沿って,デバイス開発と力覚レンダリングアルゴリズムの開発を並行して進める.そうして,点群で与えられる物体データと手モデルの干渉を検出し,干渉検出時の侵入量に基づいて算出した反力を疑似力覚提示した際の,問題点を検討するとともに,その改善方法を検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた論文投稿が平成27年度になったことと,試作デバイスの手掌部の仕様決定の遅延に伴い,関連費用の執行が27年度にずれこんだことによる.
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次年度使用額の使用計画 |
論文投稿とデバイス試作および実験システム構築で27年度に使用する予定である.
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