「自動あやつり人形」を構築するため、糸および駆動用モータの配置を含めたフレームの設計を行った。演目に必要な空間を含む直方体のフレームを用意し、24個のモータを配置し、モータにプーリを取り付けプーリにまかれたワイヤを人形の各関節に接続した。この時,人形の自由な行動を極力遮ることがないようにまた,精度よく計測および提示が可能なように配置した。 26年度に設計した計測および提示アルゴリズムを各関節に適応するため,それぞれの研究成果を統合した。FPGAおよびNVIDIA社製GPU搭載Tegraプロセッサを用いた専用コントローラ内で1kHz以上の更新周波数で糸長から各関節すべての位置・姿勢を計算した。提案するアルゴリズムにより人形のある姿勢において最も効率の良いワイヤを選択した。同時にその関節に対して最も効率よく制御可能な糸を駆動し人形の動作を行うシステムを構築した。 その他、システムの評価実験を行った。提案アルゴリズムにより有効なワイヤとそうでないワイヤの判別が可能であるので,ワイヤどうしが干渉あるいは,ワイヤが人形と干渉しても計測および力覚提示が可能かどうかを実際のシステム上で行った。干渉によって人形の行動に制約が生じてしまう問題が発生した場合,該当する関節に対し駆動用モータを追加し,干渉を回避した。「自由あやつり人形」に技能分類から得られた基本行動をおこない、その行動の精度を計測した。また、被験者とのインタラクションの可能性を実験から検証した。
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