人間はテキストを読む際、単語が正しい綴りで書かれていなくても、その単語を認識できる場合が多くある。しかし、本来の綴りと非常に大きく異なっている場合は、正しく認識できない。また、文脈により単語が予測できる場合は、認識が容易になると考えられる。本研究課題では、正しい単語と綴りの間違った単語の表層的類似度と、文脈から単語が予測できる度合いの二つの要素を計算言語学的な手法を用いて定量化し、それらが人間の単語認識に与える影響について定量的な法則を発見することを目的とする。本年度は、倫理審査に通ったので実際に被験者実験を行い、様々な環境において人間が文を読む速度のデータを測定した。これにより、どのような箇所で人間が文の読解に時間がかかるのかがわかるようになった。現在、このデータに対する統計的分析を実施しており、分析結果次第でその内容を外部発表する予定である。
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