研究課題/領域番号 |
26540114
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長尾 確 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (70343209)
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研究分担者 |
松原 茂樹 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (20303589)
大平 茂輝 名古屋大学, 情報基盤センター, 助教 (60339695)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 三次元地図 / 災害対策支援 / ゲーミフィケーション / 実世界シミュレーション / 3Dモデリング |
研究実績の概要 |
既存技術である三次元地図生成手法を拡張して、実際の建物を仮想化した災害対策支援環境の要素技術を構築した。特に、静的な環境である屋内の構造物の三次元構造に加えて、動的な環境である人物の三次元モデル化を行った。 現在の多くの3Dスキャナ(三次元モデル化ツール)には、コストの他に本体サイズに応じたスキャン対象や設置の問題がある。大型のスキャナは、精度は高いが非常に高価であり、その大きさによって場所的な制約を受けてしまうという問題がある。小型のスキャナは、人手による操作のものが多いため、人的コストとスキャンニング作業にかかる時間が大きくなりがちである。このような問題によって、3Dスキャナには、スキャン対象とする物体の得意不得意が生まれてしまい、特に、人物のような大きな物体を手軽にスキャン対象とすることは困難になっている。椅子やテーブルのような人工物に比べ、人物のような自然物は、形状が曲線的で、かつ個体差が大きいので、モデリングにかかるコストが大きくなりがちである。そこで、人物を3Dスキャンして生成したモデルを元にモデリングを行うことで、モデリングのコストを大幅に下げることができる。 そこで、本研究では、三次元地図の生成にも用いた小型自律移動体を用いて、人物の自動3Dスキャニングシステムを実現した。また、人型ロボットを対象としたシステムの評価実験を行い、おおむね良好に3Dスキャニングを実行できていることを確認した。ただし、本来のスキャン対象はロボットではなく人間であるため、人間の場合でも同様にスキャン可能であるかどうか検証する必要がある。 最終的な目標である、実世界の環境を丸ごと仮想化した仮想空間におけるゲーミフィケーションによって、災害対策支援を行う環境は完全には実現できていないが、そのための要素技術はほぼ確立されたと言える。
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