研究課題/領域番号 |
26540120
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
松原 仁 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (50325883)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 創造性 / 小説創作 / 評価関数 / 機械学習 / 物語構造 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトは「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」の一環として、星新一さんらしいストーリーを作ることに焦点を当てている。星新一さんらしさの概念をコンピュータに持たせるために、星新一さんの1000作品から物語構造のパターンの集合を作成し、そのパターンの集合を将棋における合法手集合と見なしてコンピュータ将棋で使われているボナンザメソッドを改変することによって星新一さんらしさに関する評価関数をコンピュータに学習させる。「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」全体で生成する膨大な作品候補をその評価関数で点数化して、点数が高いものを作品として選ぶことで星新一さんらしい小説を生成することを目指している。 星新一さんの作品だけを分析対象とするという当初の方針だけで星新一さんらしさを見出すことがそう簡単でないことが判明したので、本年度は一時的に星新一さんと他の作家との比較を行なってみた。星さんと並んで小松左京さん、筒井康隆さんがSFにおける三大巨匠と言われているので、今回は小松左京さんを比較対象として選んだ。小松さんのショートショート作品200と星さんのショートショート作品をランダムに200選び、両者の違いについて分析した。文章の長さ、会話文の割合、漢字の割合、作品の長さなど文学作品の形式的な評価項目について調べることによってどの部分が両者の作品の特徴となっているかを見出した。研究を延長してこの結果を用いることで評価関数を精緻化していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は星新一さんの作品のみを対象として評価関数を作成することを考えていたが、試みた結果としてそれだけではなかなか期待している評価関数を作るのがむずかしいことがわかった。そこで小松左京さんのショートショートと比較することをによって星新一さんの作品の特徴を抽出した。これを評価関数に組み込む手段について検討したい。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、星さんと小松さんの作品の比較によってわかった特徴を反映した票関数を作っていく方策を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
評価関数を精緻化するために作家間の比較を行なっていたため
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次年度使用額の使用計画 |
打ち合わせ旅費等に支出する
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