申請者らが近年明らかにしてきたグラフ理論における支配集合と線形制御理論にける構造的可制御性の関係をもとに、一部の辺や頂点が利用不可能になってもネットワーク全体を制御可能とするために必要な最小の頂点集合の計算法を整数計画法に基づき開発し、そのサイズを理論的に解析した。さらに、辺が確率的に故障する場合にも頑健となる確率的支配集合という概念を提案し、計算法を開発するとともにそのサイズの理論解析を行った。一方、遺伝子ネットワークの離散数理モデル(ブーリアンネットワーク)の制御手法および観測手法についても研究を行い、制御および観測に必要な頂点数の解析や代謝ネットワーク解析への応用を行った。
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