本研究では、ナチュラルコンピューティングの新たな実現法として、二次元的な広がりを持つ熱型光双安定素子における波面伝播を用いることを提案した。光をエネルギー源として動作する固体素子を用いるということでソリッドステートナチュラルコンピューティングと呼称する。その基本動作を有限要素法による数値シミュレーションと液晶を用いた試作素子による実験で確認し、迷路探索動作を実証した。この素子では、これまで真性粘菌のみで実現されていた縮退モードを、非生物系人工素子では初めて実現した。さらに外部フィードバックによる高機能化を検討し、不応フィードバックによりパルス化が可能であることを明らかにした。
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