一般のロボットでは利用前にその身体や知能であるハードやソフトが正常に機能することを確認するため校正器具やテストコードを用いた検証を行う.一方,将来社会に進出するロボットは新しい状況や未知のタスクに応じて身体や知能が成長し続けることが期待されるが,それに応じてロボットも自身の身体と知能が正常に機能するかを常に検証し続ける必要がある.そこでは,検証には正常な仕様を知る必要があるが,正常な仕様は成長に伴い変化するという循環参照が問題になる.そこで本研究では常時蓄積する動作感覚情報の一貫性解析に基づいた正常の理解構造の解明に挑戦し,これに基づき自己検証機能とその結果を反映する活栓修正機構を実現する. 平成27年度は常時自己知能変容するオープンソースコミュニティ接続型の作業移動ロボットを用いて継続的変容知能ソフトウェアへの適用可能性を検証した.認識行動プログラム並びにタスク実現プログラムを実行し目的の達成評価による自動検証を実施した.タスク実現プログラムの例としては,工場環境における物品の把持設置や日常生活タスクにおける冷蔵庫の中の物品を把持と人への提供等,これまで実ロボットで実現してきたものを活用した.
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